以前に別の所で、「ゲーム内では『この時のラッシュは笑顔なんだろう』と思うシーンも多いのに、
自分の脳内にまっ先に浮かぶラッシュのデフォルト表情は、何かを睨んでるような顔だ」
と書いていた事がありますが。
それと似た現象がアナスタシアにもあったりします。



アナスタシアは(今すごく流布している枠組みにわかりやすく嵌めてしまうと
『ツンデレ』という事になるんだろうけど)、ゲーム内でビュウやエカに接しているアナスタシアを見ると
別に愛想がないとか偏屈だとかって印象はほとんど無く、むしろ率直・快活・社交的で機転の利きそうな子に
見える気がします。
つまりアナスタシアが意地悪な態度を取ってしまうのは、誰にでもそうなのではなく
本当に気になる人=バルクレイの前だけなんだろうなってのが垣間見えて、
そこがまた可愛いなあと思う所なのですが。


そんなこんなで、私にとってアナスタシアは「肝心な人の前で素直になれない子」というのが基本印象なため、
少しむくれているとか文句を言っているとか、そんな顔が彼女を象徴する表情であるような気がしています。
でもゲーム内でビュウ=プレイヤーの目に映るアナスタシアがそんな顔ばかりしているのかというと
たぶん違うと思う。
ゲーム画面に映っているアナスタシアは、ラッシュと同様「この時の彼女は笑顔なんだろうな」
と思えるシーンが大半なのですが、自分のイメージ内で「一番アナスタシアらしい表情」というとそれとは違う、
みたいな差がなんとなくあります。

なので本当はアナスタシアのこういう表情↓って、バルクレイ以外の人にとっては
そこまで頻繁に見慣れてる顔じゃないのかもと思うわけです。






アナスタシアに限らず、「このキャラはビュウ=プレイヤーにはこういう顔を見せてるけど、
他のキャラの視点からだとそうは見えてないんじゃないか」と思う事がときどきあります。
例えばわかりやすい例だと、「ゾラの息子の本名はオレルスだ」という事をプレイヤーは全員知る事ができるけど、
(少なくともあの時点では)ビュウとゾラとオレルス以外の軍メンバーは、彼の本名を
きっと知らないに違いないと思う。

 こちらの漫画の最終ページで「オレルスという人物が誰なのか、ラッシュもトゥルースも
 実際に会うまで気付いてなかった」という要素を入れた事がありますが、あれは上記のようなイメージが
 昔から自分の脳内にあった影響だったりします。
 (バハラグを初プレイしたばかりの頃から既に、『終戦後にはこんな会話がありそうだ』
 と想像していた記憶がある)




あとサジンはいつも物陰に隠れる練習に励んでいる様子で、「誰も見つけてくれない」とか
「俺達を見つけるとはさすが反乱軍リーダーだな!」(←これはゼロシンの台詞だけど)
みたいな事を言うので、極端な話、実はビュウ以外の反乱軍メンバーは
サジン(およびゼロシン)という人物が艦内に常駐している事すらろくに認識してないのかも…
と思う事もあります。
戦闘時や何かの折に、他メンバーがアサシンの姿を見かけた場合でも「あんな奴いたっけ?」とか
「あいつら普段どこに隠れてるんだろ」とか、その程度の印象だったりして。

これが他のゲームだったら、そこまでええかげんな軍ってどうなのよと思うけど
バハラグの自軍メンバーのみんなは素で「なんか知らない奴がいつの間にか加入してるけど
ビュウが承認してるっぽいしまあいいや」とか思ってそうなイメージがある…。
 だからきっとクルーがいつの間にか減ってても、その諸悪の根源がビュウとアサシンだってみんな気付かないんだよ!(笑)



それとラッシュなんかも、熱血そうに見えて、ゲーム内では落ち込んでたりナイーブだったりするシーンが
意外にプレイヤーの目に触れるのですが。
あれ、ラッシュとしては誰にでも自分の弱い所をさらけ出してるわけではなくて
相手がビュウやトゥルースのようにごく近しい相手だからこそ、ああいう一面を見せてるんじゃないかと
個人的には思っています。
(これは完全に根拠のない妄想なんだけど、なんとなくラッシュはそういう意地を張りたがる性格なのでは、
という気がしている)
だからプレイヤー=ビュウの目には「ラッシュって結構よく落ち込んでるよな」と見えるけど、
そこまでラッシュと親密でない軍メンバーから見ると「ラッシュにもそんな事があるんだ?」みたいな。
そんな感じだと面白いなと思います。


バハラグの大きな魅力の一つは「群像劇の面白さ」みたいな所にあると思っているので、
「プレイヤー視点から見るとキャラAは○○だけど、キャラBから見たらキャラAはそうじゃないのかも」
という要素が実はけっこう色々ありそうな気がして、そういう所も想像していて楽しい所であります。





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