The Noxious Sea-serpent

6巻目のお話に悪役として登場する海賊船・『海の毒ヘビ号』の設定画です。
割とマンガチックで明快な悪役船。
実際に絵を描く作業に入る前に、イラストに出てきそうな主要人物や小道具・船などについては
まず簡単な設定画を描き、それを編集者の方や著者のみお先生に見ていただいて
ご意見を聞きながらデザインを決めるわけです。
特に人物は重要な所なので、「もっとこういう感じの方がいいかも?」
という改訂を何度も重ねるうちに、一番最初のラフと実際に本で描いた絵では
だいぶ違う感じになっている事もよくあります。
「海の毒ヘビ号」の船長・ディーの顔などは、最初の案と決定案でほとんど別人状態だったりしました。





この『海の毒ヘビ号』については「全体的に細く、鋭い感じに」
というオーダーがありまして。
今までの巻で出てきた他の船と似た感じになりすぎないように、と注意しつつ
こういう設定に決まったのですが…
割と細かく設定を作った割には、実際にイラストを入れる箇所が決まってみると
この船の出てくる絵は一枚しかありませんでした(笑)。
で、少しもったいないかなと思ったので、おまけとしてここに載せてみた次第です。
でも最終的にはあまり画面に出なかったとしても、こういうのをちゃんと作っておくのは
大切で必要な事なのであります。

ところでこの船は、船首を他の船にぶつけて壊す事が必殺技という設定になっています。
とすると「風まかせの帆でしか操船できない作りになっていると、小回りが効きにくくて
その戦法を存分に活用できないのでは…」と思ったので、実際のイラストではガレー船のように
オールで漕いで動かすこともできるような作りに描いてあります(このラフでは反映されていませんが)。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」のブラックパール号も、基本的には帆走ですが
オールを出して漕いで速力を上げるシーンがありましたっけ。




■■糸玉を辿る■■